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ASEAN内での労働力の自由な移動が必要

ASEAN(東南アジア諸国連合)が本領発揮をする為には、ASEAN内でのさらなる労働力の自由な移動が必要です。
世界の国々が競合的であり続ける為には、国際的な才能を手に入れる必要があります。これには、熟練労働者の国間の移動が必要です。
国の人口や国々の経済格差などもその国が必要としている分野においての労働力の移動を促進しています。
技術者の移動はMRA(相互承認協定)を施行する事によって計画的に実行していくことが可能です。
MRAにより認められる項目は教育を受けた上での専門的な資格のみで無く、才能、技術及び知識も含みます。
MRAは一般的な職業またはその国が必要としている専門的な職業どちらにも適応します。
しかしASEAN内でのMRAは未だ不完全なものであり、完全に自由な労働力の行き来は行われていません。
ASEANのメンバー国が協力的になり、労働者が行き来するのにより良い環境を作り出さない限りこの現状は変わりません。

ASEAN内の有能な技術者達はASEAN外の国々に移動してしまう傾向にあります。
それにもかかわらず、ASEAN内での労働者(熟練労働者を含む)の移動は活発に行われており、これはASEANの技術者の漏えいを止め、ASEAN発展を促進し、AEC(ASEAN経済共同体)の潜在的な能力を発揮させることを可能にします。

ASEAN内での労働者の自由な移動を活発にさせるための3つの方法

ADB(アジア開発銀行)と移民政策機関の共同調査によれば、ASEAN内での労働者の移動を促進させるには3つの異なる方法があることがわかりました。
1.MRAの制度を全ての職業に適応させる。
2.MRAの幅を狭め、限られた職業にのみ適応させる。
3.包括契約を通じて、将来のMRAの為さらに詳細に設定する。

1の方法はEU(欧州連合)が行っているもので、EU内の国民は例え就職先が決まっていなくても、好きな国に自由に移民できます。
このEUのとっている方法はASEAN内、またはアジア全体で見ても、決定的な人口動態の違い及び経済格差があるため、非現実的です。
ASEAN内のいくつかの国、例えばフィリピンでは若者の人口は増えていますが、シンガポールなどの国では高齢化が進んでいます。これは労働者の自由な移動を阻んでいます。
従って、ASEAN及びアジア全体で見ても、2のMRAの幅を狭め、限られた職業にのみ適応させる方法があっていると言えます。
しかし、2のMRAの幅を狭め限られた職業にのみ適応させる方法、または3の包括契約を通じて、将来のMRAの為さらに詳細に設定する方法を取れば、移民労働者受け入れ国は自国の教育制度やシステムに沿って一方的に新たな基準を補足することが出来ます。
例えばある国では、移民の看護師を採用する場合、自国民に求める経験年数とは異なる経験年数を求める事などが挙げられます。

AECが単一市場及び単一生産拠点になる(最も重点を置いている目的の一つ)為には、メンバー国が技術の流動性を促進しなければなりません。
現在、観光その他6つの分野において規制されています。(会計業務、建築業, 歯科医療, エンジニア, 薬事業及び看護医療)
しかし実行されてはいるものの、詳細な部分が透明性に欠けている為、不平等な部分もあり時間がかかっています。
MRAを掘り下げていくにはさらに幅広い職種及び技術を適応させる必要があります。
建築業及びエンジニアではASEAN内で認められる資格証明書を作り、会計業務の分野でも追って共通の資格証明書の発行についての話が進められています。
従ってこれらの職種に就いている移民者はASEAN内で、保持している資格が認められるのですが、だからと言って自由にASEAN各国を移動し、自由に働くことが出来るというわけでもありません。

重要な教訓
さらなる発展のためには、ASEAN各国にMRAを導入するにあたり3つの重要な教訓があります。

1.国々での異なる訓練の仕方を基準化することは難しいことです。しかし資格の相互認証はこれからも引き続き課題になって行きますが、これは教育制度を基準化したからといって簡単に達成できるものでもありません。ASEAN内で資格制度が異なるということを認識し、それに対応する補足的な基準を設ける等の対処が必要です。
自国又は移民先の国による指導教育を受け職場での経験を積む等が挙げられます。

2.ASEANは各国の需要により集中してMRAを導入するのか、分散してMRAを導入するのか戦略的に選択する必要があります。
集中型の場合さらなる方策が必要であり、分散型の場合は、管理することが困難になります。
例えばEUのように集中型を取るとなるとシステムを作ることにも維持することにも莫大な予算がかかります。
ニュージーランドとオーストラリアはお互いMRAがあり、それはEUよりも低予算で実現していますが、コンプライアンス面での課題が残されています。

3.部分的な導入では、補償についての規則設定が必要になります。
一方で包括協定は政治的な目的があるときのみ活用されます。
ASEAN内での教育制度の違いがある為、資格の基準化は現時点では難しいのです。
APEC(アジア太平洋経済協力)建設プロジェクト包括協定は、最低限の特定の資格のみ求めますが、相互認証に頼っています。

最も良い方法は、部分的な相互認証を進め、その中で更に明確なガイドライン及び補償制度を設けることです。
規則設定の曖昧さや複雑さによりMRAはなかなか進展しません。これがASEANの経済発展を遅らせているのです。

ASEANの初めの目標は経済共同体を目指すことでした。

ASEAN内の経済改革を図り、新たにAEC(ASEAN経済共同体)として経済発展をさせていく為です。
この改革により期待されていたことは、ASEANの人口6億人以上もの規模の単一市場並びにヨーロッパ連合国、中国、日本及びアメリカ合衆国と並ぶ規模の単一生産拠点を作り出す事などが挙げられます。
この改革はジャカルタにあるASEAN事務局の発表に基づくものではなく、ASEAN地域の経済改革を行うにはまず経済を発展させる事も必要になってくるので、完璧な経済共同体を完成させる事は何十年とは言わずとも、何年もの時間を要します。
これまでにASEANの経済改革によって達成されてきた事には、AECの経済の全体的な開拓(これらの国々の経済発展には差があります。)、AFTA(ASEAN自由貿易地域)、AIA(ASEAN投資地域)、AFAS(ASEANサービス枠組み協定)、その他数々の協定がありますが、これらは必然的にAECの経済発展の差を埋めるという訳ではありません。
ミャンマーやラオスのような出遅れてしまった国々と、著しい経済発展を遂げているシンガポールやマレーシアとの経済格差は益々開いていっています。
さらに、ASEANの各地域で認められているブループリントやその他のプログラムなどをそれぞれの国の国家政策に組み込んでいく必要があり、それは簡単なことではなく、未だ完全ではありません。
例えば、AFTA(ASEAN自由貿易地域)により自由な貿易が可能になった事に関しては、関税削減がAECによって達成された事もあり成功と言えるでしょう。
しかし、ASEAN内での非関税障壁及び貿易摩擦はASEAN内にはこのような問題を解決する機関がない為WTO(世界貿易機関)に頼っています。
また、移民に関する事項のASEANによる宣言と、実際の施行状況ほど差が出ている項目は無いと言えます。
ASEANは2007年にセブ島にて移民労働者の権利宣言を採用しました。
しかし、ASEANの国々がこの宣言の施行方法(労働力を受け入れる側及び送り出す側)に同意しておらず、未だこの宣言に対し効力のある施行手段を見つけられていません。
熟練労働者の自由な移動に関するMRA(相互承認協定)においては、最もよくない状況だと言えます。
熟練労働者の自由な移動は、地域産業発展には欠かせない項目です。
このために、ASEANはサービスの行き来についての基本をMODE4(自然人の移動によるサービス提供)に基づき、様々な職業のMRAを導入しました。
MRAとは、様々な分野の職業で、教育、技術及び資格を平等に認めることです。
ベトナムとマレーシアの例を挙げると、ハノイで歯科医の資格を取得し、クアラルンプールで開業する事が可能ということになります。
初めにこのMRAが導入された職業は建築業、会計業務、看護、測量、医療及び旅行業が挙げられます。これらは2005〜2012年に認められました。
MRAによって地域及び国レベルで様々な組織や会社が設立されました。しかしMRAを様々な分野で導入し活用して行くにあたり、問題点も残されています。
ADB(アジア開発銀行)とMPI(移民政策研究所)によると、MRAにより定められている基準は他にもあり、言語、特定の機関による各資格の認定書、最低限の実績年数、国家試験の合格などが挙げられます。
これらを踏まえた上で、以前よりも熟練労働者の自由な行き来は増えているのでしょうか。
答えは、はい、ですがMRAに関しては、いいえ、です。
高等教育を受けている移民の行き来は、MRAに関係なく行われています。
シンガポールやマレーシアなどの国は移民労働者の行き来を促進しており、これには賃金の急上昇を抑え、必要な技術を手に入れられ、さらにはその技術の向上を可能にするなどの理由があります。
実際に、多くのフィリピンの技術者などはMRAに関係なく、ASEANのビザの制度(21日間以内の滞在ではビザは不要)を利用し旅行者として入国し、企業に直接応募をするなどの手段を取っています。
つまり、MRAの導入は、ASEAN各国で必要な技術が異なる事や規制が異なる事等から苦戦していると言えます。
多くの労働者を発信しているフィリピンでは、移民労働者については憲法で明確に定められています。
開業(営業)する事はフィリピン国民のみ許可される。(第7条第14節)これは労働法第40条でも強調されており、労働許可証はフィリピン国民のみに付与される。
移民に労働許可が与えられる場合は、フィリピン国内で優先順位の高い職業においての責任管理者またはフィリピン人では補いきれない職種において、与えられた仕事に意欲的に取り組める移民に限られています。
それにもかかわらず、ASEAN内での特に、シンガポールやマレーシアでは国内で必要な分野においての熟練労働者の移動は盛んに行われています。
しかし未熟練移民労働者に関しては未だ様々な問題が残されています。
労働者の自由な移動は、実際のところ行われておらず、必要な分野の熟練労働者のみの国間の比較的自由な移動のみにとどまっています。

電子商取引や他のデジタル経済に関係するものへの取り組みが最優先事項

シンガポールはASEANで来年議長の座を務めるにあたり、電子商取引(e-commerce)や他のデジタル経済に関係するものへの取り組みが最優先事項だとしています。

デジタル化されたASEAN会議にて、シンガポールはASEANの他の国々と共に電子商取引に対する障壁を減少させ、更に活性化させるため、規則の簡素化を図っていることを発表しました。
これにより、電子商取引により、東南アジアでの商品の取引は活発化し、ASEANに基盤を置いている会社の成長を促します。

<参考サイト>
東南アジアで人気のある通販サイト:Robins.VN

2025年のAECの新たな焦点はデジタル化経済の分野も含まれています。ASEANメンバー国内での電子商取引への関心も高まってきています。予想では、電子商取引によるもの(880億USドル)を含め、今後10年で2,000億USドルもの成長が期待できます。

ビジネス顧問機関シンガポール支部の議長であるロバート・ヤップは、著しい成長を見せているデジタル経済においてASEANはリーダーになり得る素質を持っている、と述べています。
(理由としてはGDP2・5兆USドルで更に6%の割合で成長しており、6億人以上の人口で35%の割合でスマートフォンが普及している事などが挙げられます。)
彼はASEANの会社に、デジタル化する経済に後れを取らぬよう、各会社でのデジタル技術の導入を呼びかけています。

会議ではデジタル化及びその他の技術の進歩による仕事の減少についての議題が注目されています。

東南アジア支部長のシュア・スーン・ジーは、この様に述べています。
政府が第四次産業革命において包括的な成長を成し遂げるためには、労働者の訓練を強化する必要がある。
人々が新たな職業を手に入れるためには、新たな技術と知識が必要になってきます。これは政府が産業発展により国民が古典的な職業を失う事を防ぐ為の長期的な解決策ではありません。

下半期に強力なIPOがASEANに流れ込んできている

マレーシアが最近の数々の進歩を掲げ主導しています。

東南アジアは下半期、以前よりもIPO(新規公開株)活動が増加していて経済的自信もまた増加している傾向にあると思いますと、銀行役員がビジネスタイムスで明かしました。
東南アジアの多くの国の株価指数は2017年現在とてもいい方向に動いていますと、ECM代表取締役 Ho Cheun Hon は言っています。
IPO(新規公開株)は好調で、東南アジア各国の市場では再売出しルートも確立してきています。
特にマレーシアが、IPO(新規公開株)においても昨年と比較し今年は好調です。
同様に、シンガポールUSB投資銀行の代表も株式市場の活動は活発化してきていると、話しています。
Ms.Chooは、「株式市場は昨年末より驚異的に回復してきており、これにより各会社の流動資産、資本の増加も実現します。
EYのデータによると今年の第2期は第1期と比べIPO(新規公開株)の再売出しは、質も良く更に活発です。
この地域でのIPO(新規公開株)は全体的に見て3ヵ月前の15の取引で11億ドルだったのに対し、33の取引で31憶ドルにまで上がりました。
第2期はインドネシアの証券取引所がASEAN(東南アジア諸国連合)内で最も活発で13の取引で2.21億ドルです。
一方最も前進したのはマレーシアで、13.4億ドルです。
シンガポールでは、第2期のSGX(シンガポール取引所)における5つのIPOで合計1.82億ドル上がりました。
ドイツ銀行(現在シンガポール内で数少ないREIT(不動産投資信託)のIPO(新規公開株)以外の取引をするHRnetGroupの管理をしている唯一の銀行)の東南アジアコーポレートファイナンス代表取締役Sreenivasan Lyerは
「タイとシンガポール以外でも特定のIPO(新規公開株)取引が下部組織及び専門サービス企業などで行われています。
一方マレーシアとインドネシアでは、産業と化学薬品において更なる活動が期待されています。
数年に渡る低インフレとデフレを経験し、今経済は順調に進んでおり企業も投資や新たな取り組みに対し自信を取り戻しつつあります。」と、述べています。
UBSのMs.Chooは更に「シンガポール市場の拠点となっているREIT(不動産投資信託)について、今年初めより取引が活発に行われており、不動産復帰、資産拡大などの活動が大いに期待されています。
SGX(シンガポール取引所)は更なる外国資産面においてのREIT(不動産投資信託)取引を視野に入れています。」と、述べています。
REIT(不動産投資信託)と事業信託の流通ルートは高生産性を求めている機関や、投資家のおかげもあり十分な流動性を確保できるとMr.Hoは言います。
過去4年間シンガポールで最も大きなIPO(新規公開株)がSingtel’s Netlink NBN Trustにより行われるでしょう。上場することにより総収益が23.5億シンガポールドルになると予想されます。
DBS銀行、モルガン・スタンレー及びUBSが協力し活動しています。 
タイでは、WHA社の子会社であるUtilities and Power社(国内最大の貨物の一時保管所の業者)がIPO(新規公開株)により収益を1.74億ドルに上げ、
インフラが加速する中、関連する固定資産を探している他種会社(年金基金、保険会社等)にも安心感を与えました。
PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、現在1.7兆ドルである世界的インフラ支出が2020年までに2倍になると予想しています。
Deloitteの収集したデータによると、2014年〜2016年にかけて、ASEAN(東南アジア諸国連合)内のIPO(新規公開株)の取引面では、エネルギーや資源などの消費者向けビジネス会社は工業産業同様、上位3つを占めています。
東南アジアが事業に参入し、GDP(国内総生産)の50〜60%を占めるようになりました。
「低賃金労働者の活躍で、インフラ影響や、様々な技術を利用することにより、東南アジアの経済成長はエネルギー、資源及び工業産業において著しい成長が見受けられます。

2016年までにタイはIPO(新規公開株)シェア(6.6億シンガポールドル)、資本市場(26.3憶シンガポールドル)どちらにおいてもASEAN(新規公開株)内でリードしていると言えます。
2014年〜2016年はベトナムがIPO(新規公開株)においてはトップを占めていました。
これは政府の働きによるもので、国のGDP(国内総生産)向上を図ったのですが成功とはなりませんでした」とDeloitteは言います。
ASEAN(東南アジア諸国連合)の成長により、中流階級の市場参入の動きを受け、市場も第3次産業(金融サービス、生命科学等)への動きを見せています。
これらの国々は今後もインフラや規制政策などにより、これまでのような貿易、産業及び経済面での成長を続け更なる発展を遂げるでしょうと、Deloitteは述べています。